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デジタル化できるものはすべてデジタル化される
更新日: 2021-04-06 07:37:30
デジタル・ボルテックスは市場に起きる破壊現象であり、「デジタル化できるものはすべてデジタル化される」という一点に向かって、企業を否応なしに引き寄せる性質を持っている。一緒に、「凄い!」や「面白い!」を体験・共感し、そこから新たな案件を生みだすことが、営業活動の鍵を握る。
もくもく
デジタル化 ボルテックス +
「デジタル化領域を拡大するビジネス」と「体験/共感価値を提供するビジネス」の2つの可能性
ボルテックス(Vortex)」すなわち、何もかもを吸い込んでしまう「渦巻き」として、デジタル化のトレンドを説明している。まさに言い得て妙であり、デジタル化の強引さを見事に表現している。
出典:ビジネススクール”IMD”のマイケル・ウェイド(Michael Wade)
 
IoTによって、コミュニケーション、エネルギー、輸送の“インテリジェント・インフラ”が形成され、効率性や生産性が極限まで高まり、それによりモノやサービスを1つ追加することで生じるコスト(限界費用)は限りなくゼロに近づくこと。
出典:ジェレミー・リフキン(Jeremy Rifkin)『限界費用ゼロ社会』
 
デジタル化領域を拡大するためのビジネス
クラウド化や自動化に関わるビジネスの需要は高まるだろう。
出典:https://www.netcommerce.co.jp/blog/2020/05/03/15404
 
インフラの構築や運用管理に関わる業務の減少は避けられない
「凄い!」や「面白い!」を体験・共感価値を提供するビジネス
「デジタル化できるもの」がデジタル化される一方で、「デジタル化できないもの」の価値が高まってゆくだろう。
出典:https://www.netcommerce.co.jp/blog/2020/05/03/15404
 
アートやクリエイティブの領域は、その代表と言える。音楽や絵画、文学、デザイン、アニメーション、ゲームなどは、それを表現する手段がデジタルであっても、その源泉は人間同士の体験や共感から生みだされる。また、介護や看護、キャバクラやガールズバー、寄席やライブ・パフォーマンス、競馬やパチンコなど、ホスピタリティやエンターテインメント、ギャンブルもまた体験や共感がもたらす価値であり、これらがなくなることはない。むしろ、その存在がこれまでにも増して、際立ってくるはずだ。
体験や共感の価値を際立たせ、その特別な行為や存在に新たな価値を付与する。
顧客の創造的取り組み、例えば、デザイン思考やリーンスタート・アップなどのノウハウを武器に、顧客の事業開発や事業の改革に関わることが、この領域のビジネス機会となる。
 
顧客との体験や共感を生みだす営業アプローチを駆使して、顧客と一緒に考え、一緒になって課題やニーズ、テーマを見つけ出すやり方は、案件創出の機会となるはずだ。デザイン思考を駆使して案件を創出する、あるいは、顧客の業務分析を徹底しておこない、「あるべき姿」を提言することで、顧客との対話のきっかけをつかむ「提言営業」は、有効な営業手段となるだろう。
ビジネスを創出することが事業の拡大の原動力
「デジタル化領域を拡大するビジネス」と「体験/共感価値を提供するビジネス」の両者は、相互作用的である。デジタル化領域を拡大しようとすれば、体験/共感を通じてテーマを見つけなくてはならないだろう。そして、テーマが決まれば、デジタル化の需要が生まれる。デジタル化の範囲が拡がれば、それをさらに拡大すべく、さらなるテーマを求めなくてはならない。まさに、「ボルテックス」に顧客も自分たちも巻き込まれてゆく、いや積極的に渦の中に飛び込んでゆくことで、ビジネスを創出することが、事業の拡大の原動力となる。

「共創(co-creation)」とは、そんな取り組みを言うのだろう。つまり、顧客と一緒に、「凄い!」や「面白い!」を体験・共感し、そこから新たな案件を生みだすことが、営業活動の鍵を握る。

「デジタル・ボルテックス」のトレンドは、なにもいま始まったわけではない。これまでも、多くのひとたちの日常や企業のビジネスを変えてきた。しかし、この度のコロナ・パンデミックで、渦の底が抜けてしまった。渦の勢いが、ますます強まり、新しい時代が、いままさに駆け足でやってこようとしている。

たぶん世の中は、当面の間、不況の底を這うことになるだろう。企業はキャッシュ・ポジションを高め、投資を厳選し始める。IT投資もまた徹底して厳選される。そんな時代に案件を生み出せるかどうかは、「デジタル・ボルテックス」の本質を理解し、それを実践できる知識とスキルが必要となる。
出典:https://www.netcommerce.co.jp/blog/2020/05/03/15404
 

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