① セル(言語)
まず、コード内に存在する白黒のマス(セル)だが、実は2進法で言語を表すように設定されている。いわば、白黒のマスは0と1の集合体であり、記録された言語そのものなのだ。
② 切り出しシンボル
そして、四隅にある四角形が「切り出しシンボル」だ。位置検出や歪んだコードの外形を正確に検出する役割があり、カメラはこれを捉えることで対象をQRコードだと認識し、どの角度からでも高速で読み取ることができる。
ちなみに四角形を採用したのは、コードの回りにある文字や図形からコードだけを早く抽出するため。開発陣が5,000ページ以上もの帳票、チラシ、パッケージなどを調査した結果、もっとも使われていない比率を採用した図形が四角形だったという。その配置や数、サイズの比率も、統計をもとに決定されている。
③ タイミングパターン
黒いセルと白いセルが交互に配置されており、QRコードの座標を検出する役割を果たす。
④ アライメントパターン
右下の方にある小さな目玉のようになっているこの箇所は、カメラを斜めにかざしたときでも各セルに生じるズレや歪みを補正するために重要な役割を果たす。
⑤ フォーマット情報(誤り訂正機能)
切り出しシンボルの周囲を囲うのが、前述した「誤り訂正機能」のレベルを決定するものだ。この配列のパターンにより、誤り訂正レベルが設定されている。
上記の②〜⑤以外の部分が、デザインできるデータ領域だ。
さらにQRコード全体には、白と黒のマスをバランスよく配置するために「マスク」と呼ばれる加工も施されている。黒だらけでびっしり埋まったコードを見かけないのは、マスクによる補正のおかげだ。8種類の法則に基づき、記録された言語を保ちながら白と黒の色を反転させる仕組みになっている。