開発に金がかかるわりに、本格的に普及する可能性は非常に低いということだ。
日本では、いまだに、「水素は無尽蔵にあるエネルギー資源」などという勘違いが横行している。
しかし、無尽蔵にあるのは水(H2O)であり、水素(H2)を得るためには電気分解によって酸素(O2)を分離しなければならず、この時に膨大なエネルギーを消費する。
さらに、得られた水素はそのままでは密度が薄すぎて使えない。
トヨタの場合は700気圧に圧縮してタンクに入れるのだが、ここでも100キロ走れる程度の大きなエネルギーを消費する。
最後に、取得した水素を空気中の酸素と再結合させて電気を得て走るわけだが、ここでも40%程度のエネルギーを失う。
つまり、FCVでは元の電気エネルギーの半分以上を捨てることになる。
対するバッテリー車の場合は、充放電合わせても損失は10%程度でしかないのだから、勝敗は明らかだ。